隣接する掘削工事の影響などによって不同沈下(不等沈下)した建築物や、地震被害としてよくみられる地盤の液状化等による不等沈下構築物を復元する方法としては、従来は油圧ジャッキを用いる方法が一般的でした。
しかし、この方法は事前に構築物の一部解体及び事後の修復作業を伴い、基礎下部の掘削→反力造成→ジャッキアップ→グラウト充填等と多くの作業工程を要するために、様々な危険を伴うと同時に長い工期と多大な費用を必要としました。
JOG(Jacking OF Grout)工法は、文字道りグラウト(注入)によるジャッキング工法であり、従来の油圧ジャッキを用いる方法で必要とされる複雑な作業工程を省略して、特殊注入のみで不同沈下(不等沈下)構築物を復元できる画期的かつ合理的な工法です。
機械式ジャッキアップ工法に比べ ■ 構造物の外周の掘削作業が必要ない ■ 安全で工期が短い ■ 隣接物への影響が少ない |
他の注入工法に比べ ■ 復元制度が良く、ミリ単位での制御が可能 |
全般的に ■ 局部的な力が構造物に作用しない ■ 低振動・低騒音である |
JOG工法は、直接基礎で支えられている構造物で基礎が十分な剛性と強度を持っている場合に適している。
適合する地盤としては、指示地盤が砂や砂礫等の圧縮性の小さい土質で構成されている場合は、ほとんど問題はないが、圧密未了の粘土地盤等圧縮性の高い地盤では、施工後、時間遅れを伴って沈下を生じ、最終精度が落ちることもあるため、慎重な検討を要する場合が多い。
■ 適する条件
■ 不適な条件
■ 慎重な検討を要する条件
JOG工法図解 |
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